マスタードとブドウの産地
今夜はフランス料理には欠かせない、おいしいマスタードのルーツを求めて。
世界中で愛されている調味料、マスタードの秘密に迫ります。
マスタードのルーツを辿って
マスタードの起源は古く、遡ること古代エジプトまで。
かつては調味料としてだけでなく、虫刺されから風邪の治療まで様々な疾患の治療薬としても重宝されていました。
様々な食材の原材料となるブドウ
マスタードの語源はブドウの「マスト(Must)」に由来すると言われており、マストは発酵前の若いブドウ果汁のこと。伝統的なマスタードは石臼ですり潰したからし菜の種子にマストを加えてつくられているためです。
それゆえ、おいしいマスタードは良質な原料のぶどうがあってこそ。
例えば、古くからワインの産地として有名なフランス・ブルゴーニュ地方は、実はマスタードも隠れた名産の一つ。ディジョン郊外の秋のブドウ畑
少しばかり街を出ると、秋には黄金の丘と呼ばれる紅葉したブドウ畑が一面に美しく輝き、春にはマスタードの原料となる黄色いからし菜の花畑が広がります。
ディジョン郊外の春のからし菜畑
良質なブドウからはワインだけでなく、マスタードの原料となるブドウ果汁やバルサミコビネガーなど多様な調味料がつくられているのです。
マスタードの街、ディジョンへ
ブルゴーニュ地方でもマスタードの産地で有名な首都ディジョン。もしかしたら、皆さんも「ディジョンマスタード」の名は聞いたことがあるのではないでしょうか?
ディジョン中心街
ディジョンで本格的なマスタードの製造が始まったのは13世紀頃から。
ディジョン近郊で原料のブドウ果汁とワインビネガーが手に入ったことや、石灰質な地質がからし菜の栽培に適していたことから、ディジョンマスタードは瞬く間に世界に知られる特産品となりました。
マスタードと原材料
乾燥したからし菜の花から種を採り、それを石臼や機械ですり潰し、ブドウ果汁又はワインビネガーを混ぜる。その工程はとってもシンプルなゆえ、良質な原材料がマスタードづくりにとって欠かせないのです。
重要な原料の一つ、からし菜の種の色は大別してブラック、ブラウン、イエローの3種類。ディジョンマスタードには、辛味の強い「ブラックマスタードシード」または「ブラウンマスタードシード」がよく使用されています。時間の経過とともにビネガーとマスタードシードが馴染み、まろやかになる味わいの変化もぜひ楽しんでみて下さい。
夏の名脇役
メゾンブレモンド1830のマスタードは2種類。百花密の甘みとコクが感じられる、まろやかな甘酸っぱさが特徴の「BIOマスタード ミエル」と、フレッシュなマスタードの辛味にハーブが香る「BIO マスタード ハーブ・ド・プロヴァンス」。
BIO マスタード ハーブ・ド・プロヴァンス
どちらもディジョンマスタードですが、とくに夏におすすめなのが後者の「BIO マスタード ハーブ・ド・プロヴァンス」。
フレッシュなマスタードの辛味に5種のハーブが爽やかに香り、その豊かな風味はお料理をぐんと引き立ててくれます。
マスタードを使った夏のお料理
これからの季節、ぜひバーベキューやキャンプに、夏のアウトドアの名脇役としていかがでしょうか。
皆さまがどうか楽しい夏のひと時を過ごせますように。
夏にぴったり、かんたんサラダレシピ
最後にプロヴァンスの友人に教わった、マスタードを使ったとっておきのかんたんサラダレシピを。
<プロヴァンス風 マスタードドレッシングサラダ>
【材料】
・にんにく 半片
・ホワイト バルサミコビネガー 大さじ2
・BIO マスタード ハーブ・ド・プロヴァンス 大さじ1
・GF ヘリテージオリーブオイル 大さじ3
・塩、胡椒 少々
・マーシュの葉(なければベビーリーフ等でもOK)
・ブラックオリーブ 適量
・ミニトマト 適量
【準備】
1.にんにくを細かく刻む
2.ホワイト バルサミコビネガー、BIO マスタード ハーブ・ド・プロヴァンスを3.〈1〉に加え、さらにGF ヘリテージオリーブオイルを少しずつ入れ、乳化するまでよくかき混ぜる。
4.仕上げに塩、胡椒をかけ、味を調えておく。
<作り方>
1.マーシュの葉よく洗い、水気を切る
2.ブラックオリーブとミニトマトを食べやすい大きさに切る
3.【準備】で用意しておいた特製ドレッシングをサラダの周りにまわしかけ、底からすくい上げるようによく和える
※お好みでゆで卵を散らしても好相性です。
Bon appétit!(ボナペティ!)